2014年2月10日月曜日

漫画版ニンジャスレイヤー「ラスト・ガール・スタンディング」#1 後半レビュー

 サイバーパンクニンジャ活劇、ニンジャスレイヤー。@njslyr_ukiyoeアカウントにて連載中の今回のエピソードは「ラスト・ガール・スタンディング」第一話後半です。
 Togetterと一緒にお読みください。
 前半のレビューはこちら
漫画版ニンジャスレイヤー「ラスト・ガール・スタンディング」#1 前半レビュー
 さて、今回のヨタモノ(作中用語でならず者の事)達による暴力シーンが続きます。憎むべき敵を描き出し、読者の受けるストレスが解放される場面に向けての導入です。
アサリに乱暴しているのが二人。倉庫の出入り口に立って外を見張っているのが一人。全部で三人だ。皆、体格がよく、一人はオチムシャ・ヘアーだ。ヤモトの思考は乱れる。前後の記憶が曖昧だ。ここはどこ?何故こうなった?アサリは必死で抵抗するが、馬乗りになった男は容赦無くその顔を殴る。
posted at 18:09:56
全年齢誌のコンプティークでこのような過激な暴力・性的表現(このブログに載せられない程度)が掲載されるのはかなりの冒険に映ります。しかしコンプティークは創刊当初は成年向けゲームの特集を載せており、コンプエースにも成年向けゲームのコミカライズを多く連載しているので自然な流れかもしれません。
 そして追い詰められたヤモトは、飛び降り自殺を図ったショーゴーと衝突した際に憑依されたニンジャソウル、シ・ニンジャと相対します。
人間にニンジャの力を与えるニンジャソウルは同性にしか憑依しない、という設定があるので、当然このシーンに現れるべきは女ニンジャ(作中では「くノ一」という用語は使われません)のはずです。しかしこのシーンでは何故だか折り鶴で現れています。原作ではヤモトがオリガミ部に所属していたことは先に示されていますが、このコミカライズでは時系列が前後しているので唐突に感じる向きもあります。非常にシュールな構図ですが、何かインパクトを重視するなどの意図があるのかもしれません(ニンジャスレイヤーに全ての点で計算された合理性を求めるのも野暮かもしれませんが)

 そしてこのアクションシーンの爽快なこと!
 説明不要ですね。
 キリがないのでアクションシーンの残りはTogetterまとめで見ていただくとして、おっと思ったシーンを解説してみます。
どこが凄いのかお分かりでしょうか? そう、暴行の様子を撮影していたヨタモノを排除しつつ、同時に後々厄介をもたらすであろう証拠映像の隠滅を図っているのです。実は原作にはこのようなシーンはありませんが、にも拘わらずコミカライズ以前に既にあったかと錯覚するほどに流れが自然です。これは余湖・田畑両先生の構成力が光った形となりますね。
 また、覚醒した後のニンジャは暴走状態に陥り、周囲の人間たちを皆殺しにすることも珍しくありません(全く暴力的傾向を見せない例外もいるにはいますが)しかし今回の場合は証拠隠滅するだけの知能が働くこと、親友であるアサリを巻き込まないだけの理性を保っている事で、ニンジャとしてのヤモトの恐ろしさをかえって強調していますね。前半でモータル(作中用語で非ニンジャの人間の事。ニンジャの多くは人間よりも長寿なことからイモータル=不死との対比として使われる)に対してニンジャの力を容赦なく振るったショーゴーとの対比としているのかもしれません。

 前半が28ページだったのに対して今回は12ページでしたので、解説の記事も短いものとなりました(それを感じさせない濃密さではありましたが)尺が余ったのでこの辺りで前半から注目のシーンを選り抜いてみたいと思います。
 オカルトミステリ部のヒメコさんです。遥か未来のニンジャスレイヤーの世界観においてもこうした非科学的興味は存続していると示しています。
はい、カワイイですね。ニンジャスレイヤーにおいてサイバーサングラスを装着している女性というと、ニュースキャスターのオイランやサイバーゴスのヨモギなど、テックに彩られた美しさとともに一種のけばけばしさを感じさせる印象が個人的には強い。しかしヒメコ=サンは純朴さとテクノを両立しています。コミカライズオリジナルでこれほど破壊力のあるキャラを創出してくださるとはヨゴ・タバタ両センセイもニクい事をしてくれます。ワーオ! ワーオ! 素晴らしい! ◆いじょうです◆
(え? ショーゴー? もう少し後でまとめて取り上げてあげるので辛抱願います。ホントですってば)

 ラスト・ガール・スタンディングの原作小説、日本語訳版が収録された書籍版はこちら。コミカライズに先駆けて一足早く展開を追いたい方に。
ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上1
ブラッドレー・ボンド フィリップ・N・モーゼズ
エンターブレイン
売り上げランキング: 1,839

 Togetterで読むことも出来ます。
 余湖・田畑コンビによるコミカライズ単行本、マシン・オブ・ヴェンジェンスはこちら。

関連記事
「NINJA SLAYER 殺〈ニンジャスレイヤー キルズ〉KILLs 002 ゼロ・トレランス・サンスイ」前半レビュー
漫画版ニンジャスレイヤー「ラスト・ガール・スタンディング」#1 前半レビュー

0 件のコメント:

コメントを投稿